2014年7月14日月曜日

写真『かたり、おどり、その一』川村美紀子&小暮香帆
































All Photo by Manaho Kaneko

『かたり、おどり、その一』沢山のご来場ありがとうございました。
ご予約受付けの締め切りが早く、
申し訳ないことにお断りせざるを得ない方もいましたが、
当日の写真を公開致します。

親密なふたりは、かたり、おどり、美しい時間を作ってくれました。

撮影は、学生時代よりふたりを撮り続けてきた長年の友人でもある、
ダンサー/写真家の金子愛帆ちゃんです。
素敵な写真をありがとう。

2014年7月4日金曜日

シリーズイラスト


今回企画をシリーズとして立ち上げるにあたって、
シリーズを通してのイメージアイコンとなるようなものが欲しいと思い、
アーティストの貴島 悠友さんにイラストを提供して頂きました。

今後どのような形で展開していくか分からないので、
シンプルな人物画が欲しく迷っていました。

鉛筆による柔らかな描線によって切り取られたスナップ写真のような人物画は、
どれも後ろ姿なのですが、人物の気配や場の空気感を感じさせられるものがあります。

上の読書する少女とスキップする男子のイラストは書き下ろしてくれました。
素敵です。ありがとう!

貴島悠友 記憶の輪郭 http://yuuyukijima.blogspot.jp






『かたり、おどり、その一』川村美紀子×小暮香帆


初回はダンサー(として主に活動している)二人による時間となります。
同級生ながらまるでタイプの違うダンサーで初共演とのことです。


お二人へは企画趣旨はお伝えしたものの、
具体的なオーダーは何もなく、
企画趣旨も壊しても良いよ、というようなことも伝えました。
フライヤーには
「かたるのか?かたらないのか?…でも踊るよね?」
とだけ記しました。当日何が起こるのか全く分かりません。

「語り手」と「踊り手」のコラボレーションとしてリストアップする中で、
「ダンサー×俳優」といった組み合わせがまず考えられますが、
「『語り手』が踊らせる」というような「一方通行」ではなく、
あらゆるスリリングな即興演奏のように、
相互的な「共鳴/共犯関係」を結んで欲しいと考え、
頭を悩ませ、お二人に声をかけました。

初回だからといって企画コンセプトに則ったことをオーダーして、
それが「縛り」となり、今後の方向性を規定してしまうよりも、
若く現在進行形で身体表現の最前線にいる二人に、
この未知の企画の可能性を見せてもらうことを期待しています。

語ろうが踊ろうが「二つの身体」による時間です。
楽しんで頂ければと思います。

企画・前澤

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川村美紀子

1990年生まれ。16歳からダンスを始める。
日本女子体育大学(舞踊学専攻)在学中の2011年、
横浜ダンスコレクションEX 新人振付家部門・最優秀新人賞を受賞後、
同フェスティバルにおいて前年度の受賞者公演『へびの心臓』を発表。
ダンストリエンナーレトーキョー2012 − JAPAN FOCUSにて再演され注目を集めた。
活動は国内に留まらず、ポーランド、フィンランド、韓国、ベトナム、クロアチアのフェスティバルに
いずれもフェスティバル史上最年少振付家として招聘、作品を発表。
公益財団法人セゾン文化財団ジュニア・フェロー(2013 − 2014年度)。

小暮香帆


平成元年生まれ。6歳よりモダンバレエを始める。
これまで笠井叡、笠井瑞丈×上村なおか、三浦宏之、岩淵多喜子、岩渕貞太など多数振付家作品に出演、
ダンサーとしてイタリア、インドネシアツアーに参加。2012年日本女子体育大学舞踊学専攻卒業。
同年より本格的にソロ活動を開始、福岡ダンスフリンジフェスティバル、セッションハウス ダンス花などに出演。
昨年秋初単独ソロ公演「遥かエリチェ」(2013)を上演。また映画や映像作品に出演。第2回セッションベスト賞受賞。
めぐりめぐるものを大切にして踊っている。


★ご予約満席となりました。
 当日券の販売も予定しておりません。
 皆様ありがとうございました。
 ご予約の方ご来場お待ちしております。

『かたり、おどり、その一』
出演:川村美紀子 小暮香帆
日時:7月6日(日)開場19時半/開演20時
料金:2500円(1ドリンク込み)
ご予約・お問合せ:katari.odori@gmail.com
会場:喫茶茶会記(カフェスペースは15時より営業)
〒160-0015 新宿区大京町2-4 1F
03-3351-7904 (営業時間のみ応対可)
sakaiki@modalbeats.com
http://gekkasha.modalbeats.com




『かたり、おどり、』企画について

四谷三丁目にある喫茶茶会記で、
『かたり、おどり、』という不定期シリーズ企画をはじめます。

一応「かたり」と「おどり」による「即興企画」としておりますが、
この企画において「かたり」とは、必ずしも演者が物語を語ることや、
何らかのモノローグを指し示す訳ではありません。
また、「即興」という定義もよく分かりませんが、
ともあれ「振付家/演出家による予め作られた作品」ではないということです。

そのような「振付け作品」ではなく、
また「ダンサーとミュージシャンによる即興」とも異なる「踊り」、
といって「朗読に合わせて即興で踊る」という形式に留まらない、
「かたり」が語義通りの意味から離れることを期待し、
それが新しいダンスを誘発することを期待して企画しました。

また期待するのはダンスだけではありません。
ダンスによって誘発された「かたり」と呼ばれる表現/表現者が、
再び何を発するのか…?

とにかく自分が新しい何を期待し、新しい何を見たいのか、
まだ具体的には言葉に出来ませんが、はじめてみます。

ーーー

自分は踊らない踊りのファンとして、
彼らの「踊る動機」に興味があります。

「音楽」に目を向ければ、
歴史上、儀式と祭りと社交の場にあって、
ブードゥー教の太鼓叩きも、ヨハン・シュトラウス二世も、
エリントンもベイリーも、808303の使い手も、世界中のDJたちも、
あらゆる音楽家が、音楽が、楽器が、レコードが、
「踊る動機」をダンサーたちに与えて来ました。
巫女舞からワルツからジュークまで「音楽」は「踊り」を導く魔法であって、
「音楽」もまた「踊り」に必要とされることで発展を遂げてきました。
二つの分ちがたく美しい関係がそこには存在しています。
音楽との蜜月は今後も決して変わらないでしょう。

また舞台芸術や様々なエンターテイメントの世界では、
振付家/振付師と呼ばれる多くの才能が、
様々な物語や、グラフィカルな身体的ヴィジョンをもとに、
美しくイマジネーション豊かな振付けをダンサー達に与え、多くの作品を創造して来ました。
もちろん伝統舞踊では特定の個人によらない伝承された振りが存在します。
そのような沢山の素晴らしいダンス公演や音楽家とのコラボレーションを見て来ました。
(いくらつぎ込んだのか分かりません…笑)

ーーー

ただ、主流ではないもの、「もう少しだけ違うもの」も見てみたいと思います。

もちろん、演劇、文学、美術、建築、映像、写真とのコラボレートなど、
様々な「動機」を持ったダンスを試みている人達も多く存在してきました。
もちろん日本には暗黒舞踏の歴史が存在します。

「かたり、おどり、」で試みたいと思う「声/言葉」という「踊る動機」もまた、
発話された言葉は音/音楽でもありますし、言葉は作品的な物語や詩的なイメージも紡ぎます。

そうそう簡単に新しいことは起こらないかも知れませんし、
単に「音楽」や「作品/物語」から離れることを目的としている訳ではないですが、
新しい何かに向け、それが生まれるために準備出来ることがあると感じています。

さて、どうなるだろう…?

企画・前澤